桜の園 （芦屋市）

クローズド外構でありながら道路に面した外周をすべて植栽エリアにした、 四季おりおりの花と緑に満ちあふれるオープンスタイルのガーデン。 桜を愛するオーナーご夫妻と試行錯誤を重ねつつ、 さまざまな品種の桜の木を随所に導入したり　配置を変えたりして　 幾年にもわたって進化を続けています。 足元には　季節感を醸し出す花木や宿根草に合わせて セレクトした一年草を　バランスを計算しながら散りばめて。 道行く人々も思わず足を止めてしあわせな気分になってしまう、 繊細なエンブロイダリーのように美しいボーダー・ガーデンがここに存在します。

淡いピンクの花びらと緑の 花芯のコントラストが上品な、 サクラ‘松月’。

蕾の薄紅がほころんでいく様が あでやかな、サクラ‘楊貴妃’。

砂糖菓子のように愛らしい サクラ‘一葉’。

新たなシンボルツリーとなったサクラ‘松月’。 ぽってりとした淡いピンクの花が、 夢見るような春の気分を盛り上げてくれます。

桜の季節には　ほかの春の花も咲き揃い、 本当にうっとりするような眺め。

春だけでなく、秋（〜冬）にも花を咲かせてくれる‘十月桜’と‘子福桜’。 しみじみ秋に桜を見るのも　感じるところあって、なかなかよいものです。

シンボルツリーの足元には　 英国Dragonstone社製バードバスをスタイリング。 低木や草花がやわらかく周囲を彩ります。

門の両脇には　球状のキンメツゲの鉢を左右対称に置いて、フォーマル感を演出。 ややワイルドな枝ぶりの植物たちとの対比で、散漫になりがちな雰囲気を引き締めています。

クリスマスローズのまわりには そのシックで美しい色合いとマッチしつつ 華やかさを増幅させてくれる花をチョイス。

シャクナゲ‘パーシーワイズマン’の透明感ある花は、春の気分にぴったり。 咲き進むにつれての微妙な色の変化も見ものです。

あたかも一幅の絵を描くように･･･ 絵具を慎重に選ぶごとく 花選びも妥協することなく真剣に。

アナベルの咲く頃、 ダークな色のクレマチスが 寄り添うように花を咲かせます。

樹木の緑と草花のコンビネーションにぴりっとスパイスを効かせてくれる、 アメリカハナズオウ　‘フォレストパンシー’の銅葉。 かわいいハート型をしたの暗紫色の葉が　夏場には紫を帯びた緑に変わって 目を楽しませてくれます。

初夏を彩るブルー系のアジサイと 清楚な白のカシワバアジサイ。 毎年ボリュームのある色のかたまりを ボーダーの中に作ってくれるので、 欠かせない存在です。

レンガ塀に設けられた小窓から、中の天使を垣間見る･･･ ちょっと魔法めいた密やかな楽しみです。

ヤマボウシの足元でヴァイオリンを奏でる天使像は、 英・Dragonstone社製のもの。 ここの作品はどれも　 ざっくり感と緻密さのバランスが優れているので　 風景の引き締め役を安心して任せられます。

ルリヤナギのクリアーな薄紫が 夏景色の爽やかなアクセントに。

楽しみを与えてくれる半面、日頃の目配り・気配りが欠かせず 実は大変なできごとも少なからずあるオープン植栽エリア。 いつも絶やさず美しさをキープしてくださっている オーナーご一家の心意気を感じ取っていただければ幸いです。

以前の状態をもう思い出せないぐらい、 楽しい変化に富んだ　目に心地よい庭景色として 自然になじんできていることを　作り手として本当にうれしく思います・・・！