マンションのエントランスを入ったホールの左手にガラス越しに広がる、
ショーウインドウのようなパティオ。
日照条件があまりよくないためか、最初に植えられていた一本のモミジは
枯れたまま手付かずで放置されていました。

もともとあった小ぶりの植栽枡を抱き込み、枕木で囲むことで植栽スペースを拡大。
丈夫で季節感があり　日陰〜半日陰を好む植物をセレクトし、
四季折々のみどころがあるよう　丁寧な構成を心がけています。

このリノベーションによって、寂しかった一角が
住まい手にとっても　訪れる方にとっても　心なごむスペースに
生まれ変わりました。

枕木の質感にマッチする、英国産のロッカリー石材をアクセントに使用。
植物のメンテナンス時などの足場になることも配慮しています。

まだ彩りに乏しい早春から咲き始めるクリスマス・ローズは、
頼もしい存在の宿根草。

夕暮れ時からはシンプルなガーデンライトが自動点灯。
そのほのかな光が、帰宅してきた居住者を温かく出迎えます。
ぼんやりと照らされた植物も、昼間とはちがう表情を見せることを発見。

多くの方に心地よく感じていただけるよう、白〜淡い黄色〜紫系のやさしい配色をチョイス。

ヒュウガミズキのかわいい黄色の花が、
春の風情を伝えます。

建物の外側からは曲線を描く階段でつながるスペース。
こちら側の上の階の居住者は、通路を通る際に見下ろすことができます。
中心に据えたヤマボウシが年々成長するのを見るのも
楽しみのひとつかも知れません。