1930年に女流文学者Victoria "Vita" Sackville-Westが購入した、
英国はケント州にある古城。
何百年も打ち捨てられたままだった廃屋同然の砦と農園を、
長い歳月をかけて
文字通りチャーミングな庭に変えたその途方もない情熱には驚かされる。
特徴的なのは 
compartment arrangement of "garden within garden"といわれる、
「庭の中の庭」。
ハッとさせられる小空間の連続でありましょう。

シシングハースト
Sissinghurst Castle Garden
何でも壁面に這わせる仕立てにチャレンジ、
そして成功させている手腕はお見事!
バラはともかく、
タイサンボク(Magnolia grandiflora)、セアノサス(Ceanothus)etc
…そこまでやりますか?!
ここがかの有名なホワイトガーデン。 
緑のフレーム(枠取り)がしっかりとあることで、
「ワイルドさ」と「整然」の絶妙なバランスが生まれる。
レンガ塀のちょっとした隙間に仕込んだ
ウォールフラワー(Erysimum cheiri)。 
まさに、壁の花。
庭空間を区切る生垣の高い壁。
ここだけ見ると、迷路の突き当たりっぽい。

石づくりのベンチの座面にはローンカモミール。
「香りのベンチ」という趣向だが、
この名園で座ってみる剛の者は限られるでしょう…

ホワイトガーデンへの導入部にある
淡いブルー〜藤色コーナー。
長い歴史の間には
フランス軍兵士を幽閉していたこともあるこの館。
こ、ここはもしやその牢獄跡っすか?
おどろおどろしい空気がちょっぴり。
でも、美しい。

ヒマラヤの青いケシ「メコノプシス」。
(Meconopsis betonicifolia)